* If *

□If
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「お願い、お願い…します!もっかいだけ!もっかいだけチャンスをください!!」






































ソファからバッと立ち上がり女の子に向かって頭を下げる。こんなこと、一生に一度もないチャンスだ。変えられるものなら、変えてみたい。過去を、そして現在を。











俺はもう一度、6人で歌いたいんだ。あの頃のように。
10年前を体験したことにより、その気持ちは強まっていた。




















































「…お願い、できるんじゃん!よーし、しょうがないな!もっかいだけチャンスあげるよ。今度失敗したらもうダメだからね。」









































少しの沈黙の後、彼女は本当に仕方ないなーといった様子でそう言った。俺はその言葉に顔を上げ、ありがとう!と即座にお礼を言う。嬉しくて思わず笑みがこぼれた。









































































「だけど今度はTからね。頑張れ!」





































え?そう思った瞬間、また意識を失っていた。




















































ピピピ…ピピピピピ…


















反射的に音の方向へ手を伸ばす。音の止まるスイッチを押すと急いで起き上がる。
そしてすぐに携帯を見る。そこには、2011年3月19日 午前9:00の文字。










































…成程。あの子の言った意味が分かった。









“今度は、Tから”





















つまり、聖を脱退させないようにしろということだ。これがうまくいかなければ、赤西のチャンスすら、なくなるというわけか。


























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