* If *

□If
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「じゃあ、お疲れ〜また明日!」













そう言ってメンバーと別れた後、そんなことばかり考えてしまう自分に驚く。




歳のせいだろうか。こんなにセンチメンタルな気分になるなんて。そう自分自身に苦笑しながら、自宅へと帰宅する。誰もいない広々とした一人暮らしのマンションには、キッチン用品ばかりが充実していく。最初は、料理できる男!とか言えたら、かっこいいな〜と思っただけだった。こんなに本格的にするつもりなんてなかった。









それでも凝り性の俺はどんどんはまってしまい、今では随分凝った料理も作れるようになった。勿論オフの日くらいしか無理なんだけど。

























パッとリビングの電気を点けた時のことだった。





























「おかえり、亀ちゃん♪」





































急に聞いたことのない声がしたと思えば、カウンター用の少し高い椅子に、女の子が座ってこちらにひらひらと手を振っていた。





































「…は!?誰、お前!??どうやって入ったのココ?」


























一瞬驚いて声が出なかったが、すぐにそう捲し立てる。そんな俺を気にも留めずに、足をぶらぶらさせながらクスクスと楽しそうに笑っている。明らかに楽しんでいる様子だ。






















「毎日毎日、お仕事大変だね〜お疲れさま!」













そうにこにこ笑いながら言う女の子。歳は、恐らく15,6だろうか。小さな顔に整った鼻と少し切れ長の目、すらりと伸びた手足。とても綺麗な女の子だった。























「いやいや、人の話聞いてる?なんで…」






















そう言って彼女に近づこうと足を踏み出そうとしたけど、動けない。え?何だこれ…意味わかんねぇ。一生懸命足に力を入れるけど、ぴくりともしない。

















するとあははは、と声を立てて心底楽しそうに笑う女の子。無邪気で可愛らしい笑顔だけど今はとても憎たらしい。



















































「ねぇ、亀ちゃん。もしも過去に戻れるとしたら、いつがいい?」


































「…は?マジ意味わかんねぇ。その質問も、お前の存在も、この状況も。」






















「わかんなくてもいいの。もーほんと亀ちゃんは頭固いなぁ〜聞いてた通りっ!」














































…混乱してきた。何だろう、この状況。夢かな?俺、疲れてるしなぁ…
































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