* If *

□If
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        第一章


































「…め、亀っ!」





















その声にハッとすると、みんなの視線が俺に集まっている。机を囲んで座るいつもの会議室で、数名のスタッフとメンバー達。そうだ。今は次のツアーの打ち合わせをしている最中だった。

















「おいおい亀、ボーっとしてんなよ〜」





「まぁまぁ。お疲れだからね〜昨日も遅かったんでしょ?」





そう言う中丸と田口の横では、我関せずといった様子の上田がじっと机の上の資料を読んでいる。





















「わり!なんか一瞬意識飛んでた!」






















笑ってそう誤魔化す。何を考えていたか?俺は数時間前に撮ったBSの歌番組の様子を思い出していたのだ。
それは、俺らの10年間の軌跡を追った特集が組まれていた。
ものすごく若くて不細工な俺と同じくとても若いメンバー達から始まったその映像には、勿論今はもういない2人のメンバーも映っていて。
案外長い間VTRが続くものだから、ついついボーっと見入ってしまう。
早かったな。
そうふと思う。メンバーが4人になっているなんて、この頃の俺は思いもしなかった。

































色んなことがあった。本当に、色んな事が。こんな数十分の映像なんかじゃ、まとめきれない程に。

































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