シナリオ
□振り向いて、俺に触れて切ない想いに気付いて
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最初は、ただの憧れでしかなかった。
手の届く所に貴方が居るなんて考えもしなかった…
「宍戸さーん!待って下さいよ」
「お前に合わせたら、練習始まっちまう」
憧れだった貴方が、今は、こんなにも近くに居る。
「今日、自主練しますか?」
「んー、そうだな…」
それだけでも嬉しいことだけど、僕はそれ以上の想いを貴方に求めている…
「俺、付き合いますよ?」
「じゃあ、頼んだぜ?長太郎」
求め過ぎたら、貴方を失ってしまう気がして…
「はい、任せてください」
…踏み出せないでいる。
「長太郎、今日新しいフォーメーションやってみねぇ?」
「次の試合用ですか?」
「ああ、負けらんねぇからな…もう」
貴方の辛さ、痛み、誰よりも僕が知っているから…
「いいですね、次は青学とですから。」
「よし!じゃあ、早くコート行こうぜ!」
もっと、近くで支えて守ってあげたい…
「……」
「長太郎?」
だから、振り向いて
「宍戸…さ…ん」
「どうしたんだよ、気分悪ぃのか?」
…俺に触れて
「いえ…大丈夫…です…」
「…長太郎?」
切ない想いに、気づいて?
「大丈夫ですよ。」
(俺、宍戸さんが…好きなんだよ?)
end