響き

□雪のツバサ
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外には雪が舞い、立ち止まれば体が凍えてしまいそうな夜。土方は小さな旅籠の一室にいた。
一人ではなく、共に居てはならないある人物とだ。



「ん…ぁや!…高…すぎ…ぃ…」



土方を組み敷く隻眼の男は鬼兵隊総督、高杉 晋助。
二人は敵同士でありながら、こうして体を交える関係だった。
ひっきりなしに嬌声を上げる土方の蕾に高杉の熱く怒張した肉棒が埋められていた。
前立腺を激しく突かれ、土方の意識が飛びそうになっているのにも関わらず、激しい抽挿は休まることを知らない。



「いや、ねぇ……気持ちいいの間違いじゃねぇのか?」



グチュグチュと厭らしい音をたて土方は聴覚からも犯されている様な感覚になっていた。
高杉の声は震えるえるほどに甘く、耐えられぬ熱となっていた。



「ひあぁっ!!! おね…が…もう、イカ…せ…」

「仕方ねぇなァ……この淫乱がっ…」



前と後ろを同時に攻められ、湧き起こった熱が下肢に集まっていくのを感じた。
土方は為す術もなくただ、首を振る。



「ひぃっ…や…ああぁ゙ああああ!!」



全身を引きつらせるように一度、体を強ばらせた後、悲鳴と共に滴をこぼしていた肉棒から白い飛沫が飛んだ。



「…くっ…」



緩急した土方のナカを2、3度と突き、高杉は最奥に白濁を撒き散らした。
もう、どれだけの白濁を注がれたのか数すら覚えていない。ただ、入りきらず溢れたそれがドロリと体外に流れ出る感触に土方は体を震わせた。



「…は、うっ……はっ……」

「………」



情事後の余韻もそのままに、高杉は何も言わず手早く衣服を着る。
それを、土方は息を切らせながら見つめている。
土方は限界まで体を酷使され、起きあがることさえ出来ないようだった。



「…よかったぜ、土方?」

「…金額分の仕事をしただけだ」



高杉は愛想のない土方の言葉を聞きながらクツクツと笑う。
そして、着替えがすむと金の束が入った袋を土方に投げてよこした。
土方はいつもより少し重みのあるそれを確認すると「どーも」と一言呟いた。



「また来週な…土方…」



高杉はそれを聞いてから、いつものように約束をつける。そのまま、部屋の戸に手をかけ何事もなく去っていった。
高杉は情事が終わってから、去るその瞬間まで土方の方へ一度たりとも振り向くことはなかった。





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