ぺるそな3
□I Want Save”DEATH”.
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そして一人残った(コロマルはいつもの場所で寝ているが)僕は誰にも聞こえない位の声量で呟いた。
「戦いが終わったら…また僕の中に…戻って来ても、良いからね…」
僕の中には、君と築いた絆の証(ペルソナ)があるから、きっと前より楽に馴染むよ。
例え戦いが終わって、この力を失ったとしても、築いた絆は失わないから、安心して戻っておいで。
―…ありがとう…―
ふいにそんな声が頭に響いた。
聞き慣れたその声にただでさえ緩んでいた僕の涙腺が一気に緩んで、僕は顔を押さえながら慌てて部屋へ戻り、先程まで彼が座っていた形跡の残るベッドに顔を埋め、ひたすらに泣きじゃくった。
「っ…ごめん…っ…本当に…ごめん…っ…」
彼を殺したくなかったのは事実だけれど、苦しめるのも嫌だった。
悩みに悩んだ挙句の結果はこれだ。
僕の決断で、仲間との絆は深まったが、綾時だけを苦しめる事になってしまった。
僕はこんな結果、望んでいなかった。
『…泣くな…主。我の本体はこうなる事を予測して、我を主の中に残していったのだと思う。』
タナトスの声が頭に響いた。
彼にもわかっていたのだろう、自分が僕の中に存在している理由を。
『…主が…母なるニュクスに取り込まれた我の本体を救えば良いだけの話だ。』
「…救、う…?」
『主なら、我が本体を救う事が出来る…我と奴…オルフェウスが主の新たな剣となって我が本体と共に戦う。』
タナトスと、オルフェウス…が僕の新たな剣…?
僕はオルフェウスに会いたくて、召喚器を使いオルフェウスを呼び出した。
オルフェウスは完全に実体化すると、僕の頭を宥める様に撫でた。
『…主、主の判断は、間違って無いよ。皆も、それを望んでいた。』
「でも僕は…綾時を困らせた…僕の決断で、彼を苦しめてしまった…」
ベッドに乗り、布団を握り俯いた。
『…主は、何の為に戦っているの?』
何時かゆかりにも聞かれた質問。
僕はその質問に答えられなかった。
僕には、それまで戦う理由なんて無かったから。
だけど今は違う。
僕の所為で、僕がこの地に戻って来た所為で、それまで影時間以外特に何事も無かった世界が、破滅へと動き出してしまった。