その他
□ナルガの恩返し
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「大丈夫だよ、もうすぐ会わせてあげるからね。」
「旦那さん、あそこにいるニャ!」
千里眼の薬で突き止めたエリアに着くとすぐさまボクはナルガクルガの親のところに走って行って、子供のことを話したニャ。
…だけどさすがナルガクルガニャ…怒りモード突入してて聞く耳持たなかったニャ…
「うにゃあぁぁぁぁぁ!」
「リリー!…あ!怒ってるから危ないよ!」
ボクが吹き飛ばされている時に旦那さんの腕からナルガクルガの子供がすり抜けてこっちに走って来る姿が見えたニャ。
その様子が見えたのか、怒っていたナルガクルガも落ち着いたみたいで、おとなしくなったのニャ。
「リリー、大丈夫ー?」
「…っ…大丈夫ニャ!」
少し足を擦りむいたけど、歩けない程じゃなかったので、旦那さんのところにゆっくり歩いて行ったニャ。
「あのナルガクルガ、子供とはぐれてパニックになっちゃって暴れてたみたいなのニャ。」
「そっか。会えて良かったね。」
「旦那さん、どうするニャ?」
「うーん…ナルガクルガの素材欲しかったけど…帰ろっか。」
再会したナルガクルガ親子をそのエリアに置いてキャンプに戻ろうと出口に向かったニャ。…だけど…
「旦那さん!ナルガクルガが呼んでるニャ!」
「へ?!なんで?!」
突然ナルガクルガが咆哮でボクらを呼んで、こっちにきたのニャ。
「り…リリー…何て言ってるの…?」
「…あの…子供を助けてくれてありがとうって…」
「え…あ…どう…いたしまして…」
「ニャ?!…お礼に上鱗…くれるそうニャ!」
「へ?!なんで?!私そんなに良いことしてないのに…!」
「ニャ…?この子を傷つけたチャチャブーの群から遠ざけてくれた…?」
「ん?あぁ…やっぱりチャチャブーに傷つけられたのか…よっぽど怖かったみたいだったし怪我してたから。当たり前のこと、しただけだよ?」
そう旦那さんが言ったのを通訳すると、ナルガクルガは困った様子で小さく唸っていたニャ。
「旦那さん、ナルガクルガ困ってるニャ。貰っといた方が良くないかニャ?」
「うぇぇ〜?そんなこと言われてもなぁ…リタイアするから貰っても無駄になっちゃうし…」
「そうニャ!時間切れでクエスト失敗すれば良いニャ!」
「そうだね。じゃあ素材集めでもしよっか。」
「ニャ?!…旦那さん…ナルガクルガたちも付き合うそうニャ…」
「…え…」
「…ニャー…自分たちは周りの邪魔物を寄せ付けない様にするからハンターは素材集めとやらに集中して下さい…だそうニャ。」
「…は…はい…ありがとう…ございます…」
旦那さんもボクも若干ビクビクしながらナルガクルガに近づいてお礼を言ったニャ。
「じ…じゃあ…隣のエリアに行きましょうか…」