ぺるそな3

□LOVELIKE.
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「俺さ、お前の事、好きなんだわー。」


夜、タルタロスに行く前に順平に部屋の前の休憩所に呼び出されたと思ったら突然の告白。

否、これは告白と受け取っても良いのだろうか?
ベタだが、ただ単に『like』なだけかもしれない。
それならば僕も『like』だ。

そうだ、そうに決まってる。
だって僕らは同性で。
いやいや待てよ、同性愛者は世界中に沢山居る。
順平もそうじゃないとは言い切れない。

…ダメだ…この考えは有り得ない…
順平に限ってそんな筈はない。
そういう人達に偏見を持って居る訳ではないが、順平は違うと思う。

そうじゃなかったら屋久島でのナンパ大作戦は何だったんだ?
アレは順平が言い出した事だから絶対有り得ない。


「…あのー、湊、湊さーん?」

「…はぃ?!」

「大丈夫かー?何かボーッとしてたぜ?」

「ええと…考えごとがどんどん広がっていって収集つかなくなってた…」

「んで?返事は?」

「え?」

「へーんーじー。」


これは一人で解決できる問題じゃない…順平本人に聞くしか答えはでないだろう…


「……あの…さ…聞きたい事があるんだけど…順平の好きはどんな好きなの?」


ここで『like』と言ってくれれば万事オッケーなんだけど…


「え?決まってんだろ?ラブに決まってんじゃん。ラーヴ。」

「うひぃ。」


あまりにも順平がさらりと言うものだから、うっかり変な声が出た。


「なんだよその声ー!スゲーおもしれー!」


順平は自分の言った事をまるで気にしていないかの様にゲラゲラ笑っている。

動揺してるのは告られた僕だけか…?


「そんで?返事は?」


あぁそうだ…順平の『好き』はloveの方の『好き』だったんだ…


「…あの…さ…知ってるとは思うけど僕…男だよ?」


我ながら見事に珍妙なセリフだと思った。


「んなこと知ってるって。俺は別に構わねぇんだよ。好きになったもんは仕方ねえし?」

「…おぉ…何か凄いねぇ…」

「お前は俺の事嫌いなんか?」

「…いや、嫌いじゃないよ。」


かと言って『love』でもないし、男同士でちちくり合う趣味も無いけれど。
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