ぎんたま

□甘ェ…天津甘栗より甘ェ…!!
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正直、俺は山崎には甘いと思う。



「ふくちょォ〜、ほ〜こくしょですゥ〜。」

「なんだよその気の抜けた喋くりは。しっかりしろや。」

「うぅ…今日は厄日なんです…食堂で出された朝食のパンは俺のだけカビてたし…買ったばっかのラケットは折れるし…道のど真ん中で豪快にすっ転ぶし…打ち水は掛けられるし…犬には噛まれ猫には引掻かれ…万事屋の旦那の原チャリに引かれそうになるし挙句の果てには車に激突されて…」



あぁ、道理で異様にボロボロなんだな。
ってか車に激突されて平気なお前がスゲーよ。
つーか万事屋…マジ殺す…



「あの…報告書…書き直しとか言わないでくださいね…あと新しい隊服下さい…」



うわ…泣きそうになってっし…
マジでヘコんでんだな…



「…書き直しかどうかは見てから決める。隊服は用意しとくから後で取りに来い」

「はァい…」



…何々?



報告書

何日かスマイルに潜入して調べて見ましたが、俺がいる間は攘夷派の連中は現れませんでした。
俺的にはもう来ないと思います。
俺が潜入しているのがバレたのかな?と思ったのですが、俺の密偵としてのプライドにかけて絶対バレてはいないと思います。
なぜなら、今回俺は店側にも内緒で女装をして潜入していたのですが、なぜかお客さんに大人気になってしまい、指名するお客さんは幕府のお偉いさんか、裕福な人ばかりで、貧相な攘夷派浪人はいなかったからです。
なんか、恒道館道場の姐さんや、巫女の阿音さんが言うには俺が来た途端に客層が富裕層に変わったらしいです。(勿論二人には俺が真選組だということはバレてません)
不思議な話があったものだと思いました。

やまざきさがる



…作文か…?作文だよなぁ…コレ…『俺的には』とか報告書なのに使っちゃってるし…
書き直し決定だな…まず自分の名前がひらがなっつーのがおかしいだろ…

つーか好きな様に変装して潜入しろっつったけどまさか女装してキャバ嬢やるとは俺ぁ聞いてねぇぞ…



「あの…ダメ…ですか…?」

「…お前なぁ…コレは『報告書』ではなく『作文』って言うんだ。若しくは『日記』だ。」

「じゃあ…書き直し…ですか…?」
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