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□No Name-再生と創造-(Pop'n)
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高い 高い
空と宇宙の境目に
神は唯1人在りました。
神は一度崩壊した大地を気紛れに再生しようと、天候を司る神を造りました。
ですが生まれて間もないその神は、雷の性質を強く持った雷神でした。
『あー…配分ミスだ…造り直しだな。』
生まれたばかりの雷神の子供はキョロキョロと無限に続く空間を見回し、最後に雷神の子供を消そうと手を翳した神の姿を見上げました。
その瞳は何も知らない純粋そのものでした。
その瞬間神の中に今まで無かった感情が芽生えました。
それは『愛』という感覚、感情で、それを初めて感じた神は酷く戸惑いました。
その戸惑いと自らが消されるという事が雷神の子供にも伝わったのか、雷神の子供は神の衣服の裾を恐る恐る小さな手を伸ばし握りました。
そして一言小さく
『…なまえ…を…ちょうだい…。』
と発しました。
初めて発した雷神の子供の言葉は大きく神の心を揺さぶりました。
神はその場に跪き、その雷神の子供を抱き締めました。
『これが…愛…か…いいよ。お前に全て捧げる。俺の全部の愛。』
神はその愛の証として、生まれたばかりの名も無い雷神の子供の願い通り、名前を与えました。
『よし、今からお前の名前は『雷舞』だ。俺と一緒に世界を創ろう。』
雷舞と名付けられた雷神の子供は満面の笑みを浮かべ頷きました。
その後、神は雷舞に淋しくない様、番として風神を造ってやり、世界の天候を2人に任せ、自身は『MZD』と名乗り、世界の調和、命の創造の為、影を従え、出来たばかりの大地へと降り立ちました。
こうして今有るこの世界は、神の気紛れと、生まれたての愛によって再生、創造されたのです。
終。