その他
□ナルガの恩返し
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「…どうしよう…リリー…」
「だ…旦那さん…」
樹海にナルガクルガを狩りに来た時の出来事ニャ。
洞窟の入口で小さな鳴き声がしたから言ってみたらそこにはナルガクルガの子供がいたのニャ。
親とはぐれてしまったのか、とても不安そうに震えていたのニャ。少し怪我もしてるみたいで、血も出てたニャ。
近くに沢山のチャチャブーの鳴き声もして、とても危険と思ったボクと旦那さんは、ナルガクルガの子供を連れて一度キャンプに戻ったのニャ。
「…近くにナルガクルガのいる気配はない…よね…?」
「……いないニャ……奇跡的に…」
「…まさかこの子が討伐対象…とかじゃないよね…?」
「まっさかー…そんニャの…ある訳無い…ニャ……たぶん。」
「…あたし…狩れないよ…こんなキャワイイ子、狩れないよ…ナルガたんキャワイ過ぎる…」
「あの…旦那さん…ボク…嫌な予感がするのニャ…」
「ん?何?」
「…ボクらが狩ろうとしてるのって…この子の親…なんじゃないのかニャ…」
「!!?」
「旦那さん…どうするニャ…?リタイアするニャ?」
「…無理ィ…!狩るなんて無理ィ!でもリタイアもしたくない!ナルガ素材欲しい!」
「…だんだん我儘になってきたニャね…旦那さん…」
「じゃあリリーは狩れるの?」
「…狩れないニャ…リタイアも嫌ニャ…」
「リリーも同じじゃん…っと…とりあえず…この子の怪我をなんとかしないとね…」
旦那さんは布に回復薬を染み込ませて傷口を軽く拭いた後、別な布で縛ったニャ。
その間ナルガクルガの子供はおとなしく何故かボクの事を見てたニャ。
同じモンスターニャのにハンターと一緒にいるからかニャ?
「リリー、言葉とかわかんない?」
「ちょっとやってみるニャ。」
ボクは身振り手振りナルガクルガの子供に話し掛けたニャ。
親はどこにいるの?とか、どこではぐれたの?とか、傷は痛くない?とか。
するとナルガクルガの子供は理解できたらしく、ガウガウ鳴いてボクに話し掛けて来たニャ。
「…旦那さん…悪いお知らせニャ…今回の討伐対象のナルガクルガはこの子の親っぽいニャ…」
「…本当に?」
「うん…一緒に旧密林から来たって言ってるニャ…旦那さん…どうするニャ…?」
「…うーん…とりあえずこの子を親に合わせてあげなきゃ、ね。リリー、また通訳してくれる?」
「…はいニャ…」
旦那さんは千里眼の薬を飲むとすぐさま居場所を突き止めてナルガクルガの子供を抱き上げてキャンプからフィールドに出たニャ。