L

□ザムザラ。
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ねえ、知ってる?

日が落ちるころ

ひとりで・・・・・・声が・・・・・・するとそこに・・・・・・


■ Samsara ■

〜返事をしてはならない〜


子どもたちのあいだで話題の怪談話がある。




雨の上がった夕暮れ時。

ひとりで家に帰る途中。

彼はそこに立っているのだという。

オレンジと若草色の縦じまのダボッとした服を着て。

同じ配色の、先っぽが枝分かれしていてそれぞれに丸い飾りのついた大きな帽子をかぶり、

頬には赤色と水色で星と涙のペイントを施した――

そう、ピエロ。



話しかけると、彼はにっこりと笑って消えてしまう。

何の前触れもなく、すうっと。




そのピエロの出現場所は決まっていない。

条件があるとすれば、それは人気のないところだということぐらい。

でもそれは何にでも言えそうなものだ。

人でにぎわう商店街にそんな幽霊が出るなんて滅多に聞かないだろうから。



さて、そのピエロだが。

彼はけして無害な存在ではない。

2回。

2回彼を見つけてしまったら気をつけないといけない。


3回目はもうないのだから...
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