おにいちゃんに手紙を
手紙を渡す。
俺の手は震えて
だって確実に嫌われてしまうような内容なのは自分の中でしっかりわかってたから。涙だって止まらないそれでもねもう悲しくて嫌なんだもん。
好きな人を好きじゃ無くすなんて簡単にできるわけじゃないんだってやっと気付いたのやっとわかっただから貴方が好きで好きで好きで、

好きなんです。





















青い空はどこか杏子色に染まり初めていて、貴方の漆塗りのように綺麗な黒い瞳でさえそのおれんじに染められた。
嗚呼そんなものが写せるならばどうか俺を貴方の瞳に写して!
叶わぬ思いはどこか虚しく頭から心に流れてゆっくりと消えて行った。
来て下さいと呼んでから、随分経ったけど貴方は何も言わない。俺を待っていてくれてるんだね、ありがとうとても幸せだ。でもなんなら言ってくれれば楽だったかなだって貴方が好き過ぎる俺に此の空間はあまりに酷だ。
口に出す言葉さえ少し白く濁り始めて上手く思い出せなくて、ましてや口を開くタイミングさえ掴めない。



「…綱吉」

と、そんな俺にヘルプを入れるかのようにまるで俺の心を読んだかのように貴方は静かに口を開いた。
綺麗な声音。とても潤しい夢見声。
なん、て、麗、しい、貴方の。
それをスタートの合図にして両手で手に持っていた紙を差し出した。封筒に紙を入れて封をした、そのまま、そのままで在り来たりな手紙それを無理矢理押しつけて走り出した。
景色が横に抜けて行く。
流れて消えて行く。
廊下を走り屋上に行ってこのままフェンスを飛び越そうと思った。だって今ここで俺が消えてもきっと皆、きっと、だから。いい例がたくさんいるしまあ俺はもともとそんなのいらなかったし、
欲しいのはおにいちゃんだけだった。
露骨にウザい自分に嫌気が差した。
気持ち悪い途端寒気が過ぎった。

それでも貴方だけ好きで。
変えたくて変えられるもんじゃなくて。

叶わないってわかってたって迷惑だってわかってたってどうしても貴方が恋しくて、不意に震える唇は瞳は俺の全ては必死になって貴方を追い掛けたくなっていて、
どれだけ愛していていいですか。
必死に離れたって
どっかで絶対離れられなくて
用意したプレゼントだって
恥ずかしくてわたせなくて昔なら堂々と簡単にあげられた言葉だって今は怖くて口に出せなくて、

俺に同情を頂戴。
俺に情を頂戴。
もう好きじゃないなら好きになれなんて言わないだからお願いこの束縛男から逃れて早く逃れて逃れて逃れて逃げて。
いつまでも気付けない馬鹿な子なの幸せに生きてきてまわりを見れない駄目な子なの幸せだ幸せだと嘘を吐いて貴方がいなきゃ寂しくて悲しくて壊れちゃいそうな駄目な子なの、だから嫌いだと言って。

貴方にはちゃんと好きな人がいるんだと思い知らせて。
自分に言い訳するのが好きなの。
でも、まだ、大丈夫、そばにいれなくたって、貴方が笑顔でいるのならば。
嘘つきな自分が好きなの。
偽善者ぶってる自分が好きなの。

貴方が良ければいいなんて、そんな綺麗な心無いくせに自分に言い聞かせてやる。






だからやめた方がいいよ。
川にでも捨ててしまって。
もともと河川に捨てられていた俺を見つけてくれたのは貴方だったんだから、捨てるのも勝手でしょ。
綺麗な物語なんてもう真っ平。
これが本当の俺。

貴方だけが欲しい誰がいたって悲しい貴方がいればいいそんなのってきもちわるい、皆には理解されない狂気だね。
俺に貴方がいなくなっても無情にも世界は気にしないで流れるからだからね、ねえおにいちゃん。



優しい貴方の言葉の綺麗な声と瞳で、どうか汚く醜い俺を、

捨てて。



maybeend、next、you 、?




































おにいちゃん、貴方が好きです。
たまらなく好きです誰より好きです迷惑だって思ってても一番大好きですごめんなさい。駄目だって分かってるでもね、






嫌だったら、良いです絶対言いませんなんも思いませんでももし好きでいて良いのなら内緒で依存しても良いですか。

「ねえおにいちゃん」

何より何があっても何でもかんでも一番にしたいって思って良いですかそれは迷惑ですか?
貴方に聞けたらどんなに良いだろう。
貴方に言えたらどんなに幸せだろう。
手紙だなんてこんな伝え方卑怯だってわかってるだって貴方は何も反論できないものそれに貴方は優しいから、だから。
のうが揺れて頭が痛くて涙が止まらなくてどうしよう貴方しか考えられないや俺。どうか俺に嫌いだと言って下さい何がいけないかだなんていらないのだってそんなこと言われたら俺はまた貴方に好かれようと努力をするから。

そうしたら貴方は好いてくれるそうだって優しいから。何度でも言うよ貴方は俺が生きて来た中で誰より優しいの何より優しいのだから好きで好きで大好きでこんなに近くに存在できたことが何より奇跡に感じていたよ。どんなに一方的だって、俺は幸せだったよ。



ごめんなさい。

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