昼下がり、午後。ふたりでただいるだけでそれだけで今が幸せに過ぎていく今日この頃。それでも、もっと一緒にと世界が揺れる。

ここにいていいか、なんて戯言。
だからって、当たり前なんてもっと戯言。

今日の朝、窓から侵入したのにも関わらず貴方はへらりと嬉しそうに笑えばどうぞとベッドを差し出したり…全く、無防備過ぎて逆に手が出せません。
春特有夏特有のぽかぽか陽気がふっ、と部屋を通り抜ける。
つい暖かな南風につられて貴方があくびをすればそれにつられてあくびをして、君がくすくすと笑ってこちらを見た。

「真似した」

嬉しそうにお揃いだと可愛く首を傾げれば微笑んで、こちらまで幸せになってくるみたい。だけどそれでも、こんなに幸せなのに、世界は巡る。

「外歩きましょうか」

ふっと余裕がありそうに笑ってみるけれど発すること一言、一言が重くって、僕の台詞は貴方にきちんと届いているのか不安になったりして。

「うん」

それにしても貴方の一言、一言は優しくって、貴方の台詞は僕にきちんと届いてくれて安心してみたりして。
ゆっくりと貴方の歩幅に合わせて手を伸ばせば手を繋ぎ歩いて。てとてとと音が聞こえそうなおぼつかない足取りで歩く貴方と一緒に並んで歩く。

「骸、待ってね」
「もちろんですよ」
「オレに、合わせてね」

貴方に言われて僕がいいえと言ったことがありますか。言えるわけが無いこと、わかっている癖に。

「当たり前じゃないですか」

そう言いながらも歩幅の違いでずれてしまう距離感を感じながら離れないようにと僕の手と貴方の手を一緒に、
まるで鎖で繋ぐようにポケットにしまう。
貴方は少しびっくりした顔をして、またにっこりと嬉しそうに顔を綻ばせた。
その笑顔は居心地が良くて、脈がどくどくと身体を呼ぶ。

このまま時が止まればいいのに。

なんて、口に出せるわけがないのだけれど。真剣にそう思った。
そばに貴方がいるのが幸せで、そばにいれるのが幸せで、一緒に歩いていけたらいいななんて、やはり戯言それでもこれは世界一の愛だと思う故。

「骸」
「はい」

心地がよい。
貴方のすべてが心地よい。存在してくれることが、そこにただいることが。そばにタダいることが、貴方をここで見ていれることが。

「オレのこと、好き?」

その声もその瞳もその睫もその優しさもその厳しさもその暖かさもその弱さもその強さもその儚さもその、…だから最後に

「では綱吉君は」

暖かくて甘くて優しくてなによりも心地よい、その貴方の全てを司る

「僕が、好きですか?」



貴方の愛が、欲しいです。



(君をもっと愛をもっと欲しいのさ)(背中までいっぱいで)(眠くなるような)



end
+++
おねえちゃんがすきすぎてさわいでささげたきおくが。


騒ぎ立てる鳥の群れ傾いた秒針追って
南風はどこだろう?君は探す
戸惑いなく晴れる空光咲く水辺は花
ポケットに手を突っ込んで君と歩く

ガラスの国に迷い込んだ
僕の心は見透かされる

君をもっと愛をもっと欲しいのさ
背中までいっぱいで眠くなるような
声がもっと聞きたくって近づいた
手のひら合わせたら世界が巡る

木枯らしと枯葉の舞かさついた両手の先
クリーム塗りこんで君が笑う
時が止まればいいなって真剣に僕は願う
伝えたいと思うけど少し照れるな

鏡の国に迷い込んだ
僕は心と向き合うのさ

君をもっと愛をもっと欲しいのさ
背中までいっぱいで目が覚めるような
声がもっと聞きたくって近づいた
手のひら合わせたら世界が揺れる

日だまりの中あくびがふたつ重なって
真似したでしょとふざけたりして

君をもっと愛をもっと欲しいのさ
背中までいっぱいで目が覚めるような
声がもっと聞きたくって近づいた
手のひら合わせたら世界が変わる

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