黒猫

□第4話
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陽が落ち、過ごしやすい気温になってきた頃、買い出しに行っていたローとベポ、それにコックが帰ってきた。


「遅いっすよ〜〜。凄い暇だったんすけど」


ブツブツと文句を言うシャチの耳にROOMと言う不吉な声が聞こえてきたため、冗談ですと両手を顔の前で振った。


「コイツは起きなかったか?」


ローが親指で黒猫を指しているのを見てあぁと自分もそっちに視線を向ける。


「微動だにしなかったな・・・特に変わった様子もなかったし」


シャチが顎に手を当て思い出しながら言うと、そうかとローは少し考え込み、ロープを解くよう指示を出した。


「起きる前に空き部屋にでも入れて縛っとけ。此処に置いといたら潜水できねェからな。



「アイアイキャプテン!」


「うぃーっす」


「了解でーす」


ロープを解き終え二人と一匹が黒猫を船内に運ぼうとすると、先に船内に入ろうとしていたローがあぁそれと、とシャチ達を振り返った。


「交代で見張って起きたら知らせろ」


それだけ言い残すとさっさと船内に姿を消した自分達の船長を呆然と見届けた後、顔を見合わせ誰からとも無くじゃんけんを始めたのは言うまでも無い。



「「「じゃんけんぽいっ!!
  あいこでしょっ!!しょっ!!━━━」」」


















 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄5分後 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
















「また俺かよ〜〜〜〜・・・俺飯くってねェよ!?
お前らに思い遣りという気持ちは存在しないの⁉︎」


見事敗北したシャチが涙目になりながら訴えるがペンギンとベポは聞く耳持たずといった感じで黙々と黒猫を縛り直している。


「ちょ、聞いてる!?」


「負けたお前が悪い」


「2時間で交代だから頑張って!」


じゃと言って薄情に去って行くペンギンとベポを見送り、はぁと溜め息をもらしながら椅子に腰掛けるシャチ。


「お前のせいだぞ〜〜ったく・・・
まァ元はと言えば船長が連れてくって言ったからか・・・
ある意味・・・ってか1番の被害者なんだよなお前」


独り言を呟きながらぼーっと黒猫を眺めていると、髪の毛で隠れた下の顔が気になるのか、立ち上がり近くまで歩み寄った。
起きないようにそっと髪の毛を持ち上げ、顔を覗き込む。


「・・・お前汚いな・・・いつから風呂入ってねェんだよ・・・」


ドロや血がこびり付いた顔を見て眉間にしわを寄せ、そう言えばさっきまで外だったから気付かなかったが少し臭うなと思い耽ていると、髪を持ち上げていた手に急に激痛が走り、大声をあげた。








「いっっっっってえええええええええええええええ!!!!!!」








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