黒猫

□第3話
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━━8年後━━


「久々の島だな・・・」


「暑いよ〜・・・アイスあるかな〜・・・」


「そんな暑い毛皮着てるからだろ。」


「綺麗な姉ちゃんいるかなァ・・・」


皆何ヶ月かぶりの島にそれぞれ思いを馳せる。
そこへハートの海賊団船長、トラファルガー・ローが降り立ち、厭きれた顔をしながら口を開いた。


「お前等バカ言ってんじゃねェぞ。
 まず買い出しだ。」


「うぃーっす・・・」


キャスケット帽子を被ったシャチは、げっそりとした顔で船長命令に返事をした。
しかし怖いもの知らずの白熊、ベポは目をきらきらさせながらローに熱い視線を向ける。


「キャプテン、俺お腹空いたから先にご飯食べに行きたい!」


普段から愛くるしいその黒目を、うるうると更に愛くるしくしながらお願いをされては、断りづらい事この上ない。
ローは溜め息をつきながらしょうがねェなとレストランに足を向けた。


「俺は先に食材をみてくるな、船長」


「あぁ。」


一緒に降りたコックはスタスタと店が沢山有りそうな方へ歩いていった。

それに続きロー達も街へ足を踏み入れた。




ハートの一行は小奇麗なレストランに入り、ソファーの置かれている一番奥の席に腰掛ける。
それぞれ自分の食べたいものを好きに注文し、あれがないから買っとかないと等必要な物について確認しあっている。

すると、カウンター席の方から急に男の声が聞こえてきてそちらに目を向ける。


「おい姉ちゃんよぉ。」


『・・・・(モグモグ)』


「なぁ、聞いてんのか?
 マント被ってねェで顔見せろよ・・・!」


男がマントの人物に手を伸ばそうとした瞬間、男は床に転がった。

一瞬の出来事に店内の客は何が起こったと騒ぎ始めた。
当の本人は何事も無かったかのように、今まで通りテーブルに大量に並べられている料理を口に運んでいる。


「能力者っすか?」


「いや、刀だった。」


一般客と違い戦闘慣れしている彼等には何が起こったのか見えていた。
しかしあまりに早過ぎてしっかり確認できていたのはローだけだったようだ。


「(海賊か…?いや、一人だしその線は薄い……賞金稼ぎか何かか…?)」


ローがマントの人物に興味を示し、一人で思い耽ていると、その人物は食べ終わるなり札束を置いてすぐにレストレンを出て行った。


「おい、追うぞ。」


刀を手に持ちマントの人物を追いかけて外へ行ってしまった自分達の船長にシャチが声をかける。


「ちょ、船長飯は!?」


「もう行っちまったよ・・・早く行くぞ。」


「ご飯〜〜・・・」


二人と一匹はハァと溜め息をつき既に出て行った自分達の船長を追った。







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