妖精の囁き

□めもりある
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卒業までの一週間

  無くなっていく記憶みたいに

 あがいても あがいても

    『思い出』になってしまう

 大人になっていく時間。

まだ 伝えていないごめんも

     言いそびれたありがとうも

ずっと目で追って探した君への大好きも

  舞い落ちる桜の数ほどあるのに

     時間は止まってなどくれなくて

最後の最後も涙でつまる  もどかしい

歯車は回りだす。

     成長していく体と心

でも、記憶だけは少女のままで

  青空だって変わらない

何年後かのクラス会。

 記憶の少女は動き出す。

楽しそうに でも 寂しそうに

   あぁ

      思い出に変わったのか


あの日の少年は 髪が少し伸びていた。

スーツの様になる肩幅  でも

   笑い方は  あの日と一緒


大きくなった私を 今でも

  ドキドキ させるんだね。

話しかけた  少年へ


     記憶へのさよならを告げて

大人になった私たちは

   あの日と同じ  少女のような恋をしよう。


→あとがき 
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