妖精の囁き
□慟哭
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今はもう覚えていない
このぬくもりを探して
もがきながらも懸命に求めてた。
『逢いたい』と
そう願えば いつでも叶う。
でも
目に映るのは変わり果てた姿の君。
「変わったね。」
その一言でもう喉が枯れるほど。
あの頃の
私が好きだった君はいない
私が打ち明けたあの日・・・
私が君を「裏切った」あの日に
大好きだった君は死んでしまったのだから。
でも 時々・・・
本当に時々。「あの頃の君」が
「今の君」の横顔に重なる時がある。 涙が出そうになった。
でも 泣いたりなんかしない。
涙にして流したりなんかしない。
君のぬくもりを忘れてしまった指先が わずかにでも
それを拒むんだ・・・−