Novel C
□仕方ないだろ
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昼休み
御幸はひとり、自分の席から窓の外を眺めていた。
『何、黄昏とるんや?』
前園がいつの間にか横に立っていた。
『俺、孤高の人だから』
ニカッと笑って誤魔化す御幸に前園が呆れた顔をする。
『アホか?…それより、ちょっとえぇか?』
御幸の前の席をチラリと見て妙に遠慮がちに言う。
『あぁ。……何だよ?』
席に着いてからも所在無さげにモゾモゾし、何か言いかけてはやめる前園に御幸が苛立つ。
らしくない姿によほど言い難い話だろうと予想はするものの、ワザと『用ねぇんなら向こういけよ』と冷たく言うと。やっと、覚悟を決めた前園が口を開く
『その…お前、男に、キスしたいって、思ったことあるか?』
『!?』
途切れ途切れに語られたセリフはあまりに予想外で。どうせ部活のコトだろ。なんて決めつけていた御幸は思わず言葉を失った。
『だぁ!何でもないわ!言ってみただけや!んな、気にすなや!』
黙り込んだ御幸に今度は前園が苛立ち、何でもない!止めや止めや!!とわめく。
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