Novel B


□いつもの笑顔で
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ここ数週間、倉持は部活終了後も沢村の練習に付き合うのが習慣になっていた。

しかし、今日は沢村が数学の授業中に居眠りしてたのがバレて宿題を山ほど出された。眠っていたせいで全く授業を聞いていなかった沢村は半ベソ状態。見かねたクリスに『宿題が終るまで一切練習禁止だ!!』と一喝され、更にクリスから協力するように頼まれた金丸達に引きずられ、渋々部屋に戻る事に。

と、いうワケで思いがけずヒマになった倉持は部屋に戻り着替を済ますと早速ゲームを始めた。
が、沢村と倉持は同室。最初は、問題集を前に『ゔぅ』と頭を抱える沢村をからかいながらゲームをしていたが、どうも居心地が悪く早々に部屋から出てきてしまった。

部屋を出た倉持はとりあえず自販機でジュースを買う事に

(御幸んトコでも行くか)

買ったばかりのジュースをその場で飲み干すと

『他に行くトコねぇし』

呟いて、空き缶を持ったまま歩き出す。

十数歩ほど進んで振り返り様に空き缶を投げる。

ガン!ガコン!

空き缶は自販機の横の壁にぶつかるとはね返り、壁の前に置かれた空き缶入れの中に入った

『ナィピッチ!』

倉持は、見事に命中した空き缶を見て呟いた。





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