Novel C

□Barren love
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『純さん』

不意に名前を呼ばれる

『なんだよ?』

窓の外を見ながら答える

『純さんは平気?』
『何が?』
『倉持と離れてても平気?』
『別に』
『そう。じゃ、もし倉持が誰か別の人のモノになっちゃったら?』
『…どういうことだよ?』
『倉持、さっき告られてた。1年の女子に』
『付き合うのか?』
『わかんない。まだ、返事してないみたいだから』
『へぇ』
『それだけ?純さんショックじゃないんっすか?』
『まだ返事してねぇんだろ?
大体、今その相手と付き合わなくたってそのうち倉持は誰か…別の女のものになるんだ。
分かってるコトじゃねぇか!』

つい声が荒くなる

御幸の気持ちは分からないでもない
「ショックじゃない」と言えばウソになる
だけど、どうにも出来ない
倉持は俺たちとは違う

『随分、物分かりがいいんすね。それじゃあ、純さんは倉持が誰かと付き合い始めたら素直に祝ってやるんすか?
アイツが誰かと手繋いで歩いたりすんの黙って見てられるんすか?
俺はそんなの耐えられない…』
『じゃ、告るなり押し倒すなりしててめぇのモンにしちまやいいだろ』
『そんなっ』
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