Novel C

□Barren love
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「何があった?」
何度か聞いてみたが
なかなか言い出そうとしない相手に俺は痺を切らし
また、窓の外に視線を向けた

ちょうど倉持にパスが渡った所だった
ボールを奪おうと寄ってくる相手チームの連中を事もなく次々にかわしていく





『…なんで』

窓の外を眺めていると
漸く御幸が口を開いた

『ん?』

窓の外に視線を向けたまま先を促す

『なんで、倉持は俺が居なくても平気なんだろ?俺は倉持がいなきゃ不安で仕方ないのに』
『何言ってやがる』
『今だって、俺は離れててもこんなに倉持を見てるのに、倉持は俺がいないコトなんか全く気にも留めてない』
『サッカーに集中してるだけだろ』
『俺は、倉持がいなきゃ気になって他のコトなんかに集中できない』
『……』


御幸は時々こんな風になる
ひどく否定的で暗いコトばかりを言う
こうなってしまえば落ち込みたいだけ落ち込ませておくしかない
何を言ったところで聞きやしないんだ

俺は、独り言のように続く御幸の言葉を聞きながら
相変わらず視線は倉持を追っていた
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