Novel C

□Become mine...
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喧しく続いていた会話が不意に途切れた


『倉持?』
『あれ?コイツ寝ちゃってる』
『マジで?さっきの授業もずっと寝てたぜ?』
『その前も』
『はは、1日中寝てんじゃん』
『…やっぱ、アレ?部活キツいから、とか?』
『いや、コイツはゲームのやり過ぎじゃね?』
『ふーん…てか、コイツの寝顔ってケッコウ可愛いよな』
『はあ!?何言い出すんだ、いきなり』
『いや、マジで。普段の顔がキツイからさ、そのギャップが…』
『お前、マジ?』
『いや、そういうんじゃなくて』
『お前、彼女いんじゃん?』
『どっちもアリってか?』
『違うって』
『じゃ、キスでもして起こしてやったら?』
『だから、ちげぇよ!俺は彼女一筋だっつの!』


「冗談だって」と言いながらぎゃはは、と笑う声が一層けたたましく聞こえる


ふざんな!!

俺は
今にも飛び出しそうになるのを必死で押さえていた

冗談だって倉持にそんなコトされてたまるか

別に自分のモノではないが
絶対、他人に触れられたくはない


倉持、早く起きろ!

思わず念じてしまう

大体、アイツは無防備過ぎるんだ

倉持は
鋭い目つきと吊り上った眉で
一見、近寄りがたい雰囲気がある
だけど、性格はその正反対で
誰とでもすぐに仲良くなり
仲良くなった相手には
無邪気で無防備な姿を晒す

そのギャップに惹かれているヤツを俺は何人か知っている

もちろん
俺もその1人だ
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