Novel C

□Barren love
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4限目

授業をサボり
使われていない教室の窓際の席に腰掛け
窓の外を眺めていた

グランドでは
体育の授業でサッカーをしている

その中で、小柄なくせに一際動きのいいヤツの姿を視線で追っていた

『あいつ、ホント、スポーツならなんでも上手いっすよね』

前の席で同じように外を見ていた男が笑いながら言った

『お前は行かねぇのか?』

コイツも
外で体育をしているクラスの一員だ

『ははっ』

隣の男は俺の問いに曖昧な笑いで答えると
窓から視線を反らし
真っ直ぐに俺を見据えた

『たまには、こうして純さんと二人で過ごしたいんすよ』

上目使いの挑発的な視線に背中がゾクっとする

ソイツは
ふざけんな、と顔をしかめた俺の手を取ると
そっと口元に引き寄せた

手の甲に柔らかい唇が触れる


だけど
ソレは決して俺に対する好意からではない


『何があったんだ?』

仕方なく聞いてやる

『だから、たまには純さんと』
『嘘つけ』

こいつが授業をサボってまで俺と一緒にいたいなんて
何かあったからに決まってる

まして
体育の授業をサボるなんて余程のことだ
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