‐Darkness Sword‐

□【DarknessSword】*獄王の最後*
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何人かの地底兵士達はバモンの鞭の爆風で吹き飛ばされ、瞬間あたりはシンッと静まり返った。


執事バモン*『愚か者!!我らが王をお守りするのは兵士と私どもの勤めであろうが!!
それで例え腕をもがれようが足が無くなろうが耐えてみせよ!
目の前で仲間が死んだら死んだ仲間を盾にしてでも敵を殺せ!
それが我ら地底界の誇りだ!』


執事バモンの声に地底兵士達は皆一斉に雄叫びを上げた。


地底兵士達*『おぉおお!!』


ドォオオオン!!!


すると、いきなり叫んでいた兵士達の目の前で、城前の広場と町をつなぐ橋が凄まじい爆風とともにはじけとんだ。


地底兵士*『な、なんだ!!??』


橋では、ごうごうとうねる風邪と砂の中を誰かがゆっくりこちらに向かって歩いている。

執事バモン*『...きたか。』


バモンは目を細めると、右手を掲げ叫んだ。

執事バモン*『ゆけ兵士達!腐りはてたその体今こそ王のために役立てよ!!』


バモンの雄叫びに怯えていた兵士達は一斉に煙の中の人間に向かって行った。


その数500。


地底兵士達の槍や剣が、煙の中の人間にまさに突き刺さろうとした瞬間、バモンが恐れていた事が起きた。


一瞬空気が揺らめいたかと思うと、竜巻状の風がうなりながら現れた。


執事バモン*『...ふ、我が王国精鋭兵士500人を...一瞬で飲み込んでしまったわ。』


竜巻が消えるとあれだけいた兵士達の姿は欠片もなく、橋の前には青年が一人、体に合わない剣をたずさえ、何事もなかったかのようにたたずんでいた。


執事バモン*『...確かシゼルバと言ったか、天界兵士とは思えぬ冷徹な戦いだな。』


シゼルバは何も答えない、それ所か、バモンを見てもいないようだった。その瞳は、城だけを見ている。


執事バモン*『...獄王ラスト様の執事であり右腕の私を愚弄する気か...』

バモンはシゼルバに向かって凄まじい殺気を放ったが、それでもシゼルバは動じなかった。

シゼルバ*『....』
執事バモン*『貴様!!この私を侮辱する気か!!』

バモンが叫ぶと、ようやくシゼルバがバモンを見た。

『....どけ』
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