‐Darkness Sword‐
□【DarknessSword】*聖剣ロデロス編*
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ビスク*『...アニタ...アニタ.....あぁなんてこと...おまえは..もう...』
ビスクは怪我をし、血が滲む右手を悔しさで強く強く握りしめ、苦渋の表情を浮かべたままアニタの手をじっと見つめたまま動かなかった。
アニタはもう手遅れだった。
アニタ*『??....び、ビスク..様?...ぼく...生きられます..よ.ね?し、しんだり...しませんよ..ね?』
アニタは顔を必死に持ち上げビスクを見つめると力の入らない手でビスクの服を掴んだ。
ビスク*『........』
アニタは現実をかきけすように首を左右に力なくふると顔をしわくちゃにし下を向いた。
アニタ*『し、しにたく...ないよ...!!!
ぼ。ぼくまだ...やりたい事..とか...お母さんや....妹に...なに....も....』
ビスクは顔を上げる事ができなかった。何を言っても死の現実は消えない。アニタを救えない悔しさやもどかしさでビスクは自分のあしを血がしたたる手も構わず叩く事しかできなかった。
アニタ*『.................』
っと突然、辺りが急に静まりかえった。
ビスク*『...あ、アニタ!!!』
アニタはレンガにもたれかかりながら下を向き涙を流し、自分の足を憎らしげに見つめながら事切れていた。
...アニタはビスクが初めて班長になった時の初めての部下だった。一緒にチェスをしたり、家族に先立たれたビスクにとってアニタは大事な存在だった。ビスクはアニタの遺体を抱き抱えながら絶叫した。
ビスク*『う"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!!!!!!!』
突然物陰から身の毛がよだつ雄叫びが聞こえ敵兵達は驚きすくんだ。
地底兵*『な、なんだよ、今の声は!?』
アニタの遺体をそっと寝かせ、両手を組ませ自分の首にかかっていた十字架を持たせたビスクは立ち上がると、敵兵の前に姿を表した。
地底兵*『な、なんだ、お前か?さっきの叫び声は!!』
ビスク*『....お前ら道連れだ...』