Vanpire Seven
□【Vanpire Seven】
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山奥にそびえ建つ巨大な屋敷。
屋敷の塔のまわりをコウモリが行き交い、杉で覆われたそれは、どこか不気味で、堂々とした風貌は美しくもあった。
すると、屋敷のとあるテラスに、突如黒い霧が立ち込めたかと思うと、それは形を成していき、Sevenが姿を現した。
Seven「ゾーラ」
Sevenが呼ぶと、どこからともなく、あの巨大な影が現れた。
ゾーラ「控えております」
Seven「長は来ておるか」
ゾーラ「はい」
影のゾーラは部屋の扉の方へ移ると、ドアノブに手をかけた。
ゾーラ「長、Seven様がお呼びだ。」
*ギィィィイイイ*
扉が開くと、そこには黒いスーツに身を包み、ハットを深々と被った、異様に細長い人物がいた。
*「伯爵様、長のダダラでございます。」
ダダラと名乗ったそれは、ハットを取ると、Sevenに頭を下げた。
Seven「長、報告はあるか。」
ダダラ「はい、人間共の領域ギリギリの調査でございましたので、部下に多少の犠牲は出ましたが、おかげで重要な情報が手に入りました。」
ゾーラ「犠牲・・・あの忌々しい光か。」
ダダラ「はい、事前の警戒も虚しく、アレには近づいただけで我々には毒のようでございました。」
Seven「・・・で、重要な情報とは何だ。」
ダダラ「これは失礼いたしました伯爵様。」
ダダラはSevenに少し近づくと、まるで騎士のように片膝をついてこうべをたれた。
ダダラ「我々が得た情報は、
・・・光の・・・
正体でございます。」
ゾーラ「なに?!」
Seven「光の・・・正体」
ゾーラ「それで、光の実体は何なのだ!?」
Sevenとゾーラがいつになく興奮している様子に、ダダラは一呼吸置いて、つぶやいた。
ダダラ「あれは天使の仕業でございます。」