‐Darkness Sword‐

□【DarknessSword】*聖剣ロデロス編*
1ページ/12ページ

...ほんの数週間前までそこかしこに花が咲き乱れ、公園では子供達の笑い声があふれ、真っ白な家々が所狭しとならび、生い茂る木々の葉のすれる音が赤子の子守唄だった天上界は今や地獄絵図と化していた...


花は腐り、道には地底兵士とも天上兵士とも、民とも判別できなくなった死体が転がり、家があった場所はことごとく闇のドラゴンの炎に砕かれ、森は燃えていた。

*『....ぐっ...うっ』


そんな中、一人の兵士らしき男が深手を負いながらも何とか立ち上がり崩れかけた建物の裏に隠れた。


*『く、おれの隊も全滅か...地底界の奴等、何故あんなに強いんだ...天上界では地底界の人間は力を制御されるはず..それに、数もあきらかにこちらが不利...このままじゃ我が国は滅びるぞ...。』



『ビ....スク....さ...ま...』


兵士がこれからいかに王をお守りすればいいのかを考えていると、かすかに、かすれた声で自分を呼ぶ声がするのに気が付いた。

ビスク*『...?
今誰か....


!!...アニタ?!!』

アニタは爆風に巻き込まれ両足を失い、無防備になった今敵陣の中にいる絶望から希望を見出すように必死にガレキに身を潜めていた。ほんの数時間前、看護兵がついていた時に応急処置をしていたので一命はとりとめていたのだが、早くきちんとした治療をしなければやがては死に至る。アニタももはや虫の息だった。

ビスク*『っ...ひどい...アニタ、話せるか?しっかりしろ!...今すぐ救護班のところに...』

アニタ*『び、ビスク様...ぼ...ぼく...何も感じない...』


ビスク*『...?』

アニタ*『痛い...とか...苦しい...とか...なにも....なくなって...』


ビスク『!!!!????』

ビスクは驚愕のあまり目を見開いた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ