‐Darkness Sword‐
□新【Darkness Sword】第3章*甦る魔剣*
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クリスが下界に降りる1週間前・・・
アカリはフェイスパックの真っ最中だった。
アカリ『ふ〜んふふん〜♪
やっぱ女性たる者お顔のケアは必須だよね〜♪
さ、次は必殺コロコロで足のむくみを取って〜』
アカリは今休憩中。
リョウはショップで自分達のお昼の献立を考えていた。
リョウ『ん〜〜〜、朝はトーストだったから、昼はパスタでも作るかなぁ?』
セリーナ『リーダーさん、ちょっといいかしら?』
リーダーとは、セリーナがいつの間にか付けていたリョウのあだ名のようなものだ。
リョウ『ん?
セリーナさん、どうしたんです?何か用っすか?』
セリーナ『あのねリーダーさん、私今夜、仕事の関係で男性物の服を作る事になったんだけど』
リョウ『おお!
とうとう才能が認められたんすか!!
そうだよなぁ、以前部屋にあるオリジナルを何点か見せてもらった時も、素敵なデザインだなぁと思ってたし、認められてもおかしくないよなぁ。
おめでとうっすセリーナさん!』
リョウは、セリーナの夢が一歩近づいた事を、まるで自分の事のように喜んでいた。
セリーナ『あの、その事でね?
リーダーさんに折り入ってお願いがあるんです。』
リョウ『?何すか?
俺にできる事なら構わないっすよ?
あれっすか?生地を買うのにお金かかるとかっすか?それなら全然・・・』
セリーナ『違う違う!
リーダーさんに、モデルを頼みたいの!』
リョウはしばしセリーナの言葉を頭の中で整理していた。
リョウ『???
も、モデル?
・・・モデル〜!?』
リョウは思いもよらないセリーナの言葉に危うくイスから転げ落ちる所だった。
リョウ『な、何だって俺にモデルなんか!?
無理無理!!
俺にモデルなんか勤まりませんて!!』
リョウは両手をブンブン振りながら慌てふためいた。
セリーナ『そこを何とか・・・
リーダーさんなら立派なモデルになるし、ほら、私知らない男性だと口もきけないでしょ??
リーダーさんは男性と言うより<家族>みたいだし、やってくれると助かるわ。』
リョウ『・・・ん〜〜〜〜〜〜〜。(家族だなんて言われると弱いなぁ)
でも、俺はご覧の通り日本人すよ?
売る店はもちろんこの辺りでしょ、だったらジャマイカにでも頼んで・・』
セリーナ『もちろんジャマイカさんにも声はかけたわ。
でも彼(ごめんセリーナさん!今夜は俺用事があるから、リョウに頼んでみれば?アイツ暇人だからきっとokするだろう)って。』
リョウ『あの野郎・・・(今日から1週間アイツが嫌いなニンジン料理作ってやる・・・)』
セリーナ『お願いリーダーさん!
服のモデルになればきっとアカリちゃんも喜ぶわ。』
その言葉を聞いた瞬間、リョウの頭の中にふと妄想が広がる。
*リョウの妄想*
リョウ『いやぁ、俺昨日セリーナさんからリーダーさんじゃなきゃできないってモデル頼まれちゃってさぁ、女性の頼みは断れないから行ってきたよ〜』
アカリ『モデル!?
すご〜い!
お兄ちゃんがモデルなんて、アカリも見たかったなぁ!!
でも、お兄ちゃん素敵だから、チームの女性に飲みに誘われたりしたんだよね。』
リョウ『アカリ、俺がお前を置いて飲みに行ったりするような男だと思ってるのかい?』
アカリ『!!
お兄ちゃん、大好き!』
リョウ『俺も大好きさぁぁあ!!』
妄想終了
リョウ『・・・・・・・・・・・兄冥利に尽きる・・・・・』
セリーナ『はい?』
リョウは妄想を振り払うと、勢いよく立ち上がってセリーナの手をギュッと握りしめた。
リョウ『わかりました!!他でもないセリーナさんの頼みっす!!
このリーダーさん体張ってモデルしますともしますとも〜〜〜〜ハッハッハッハ!』
セリーナは、いきなりのリョウの変貌ぶりに若干顔をひきつらせながら微笑んだ。
セリーナ『よ、よ、よろしくね。(何か・・・リーダーさん目が危ない!!!!)』
あれから、リョウはウキウキと上機嫌で目玉焼きの乗ったナポリタンを作った。
もちろんジャマイカの皿にはこれでもかと温野菜にニンジンが敷きつまっている。
アカリの皿には、何とも可愛いらしい旗が刺さっている、それを見たアカリはガァッとうなだれた。
アカリ『・・・・お兄ちゃん・・・
私園児扱い?!
ぶっちゃけ苛めでしょこれ!?』
ジャマイカ『・・・・・・・・・ニ・・・
・・・・・ニンジン・・・・
しかも丸のまんま・・・
あれか、食えってか。
中生でも食えってか。
・・・・死ぬ』
リョウは、そんなジャマイカの悲痛な顔を爽やかな顔でスルーすると、一人明日のスペシャルイベントに胸躍らせながらニコニコとパスタを頬張っていた。
あらかた昼食も終わり、リョウはショップに、アカリは今夜浜辺でバーベキューをすると言うペンションのお客さんから要望があったため野菜やら肉やらの買い出しに。
セリーナも、昼から夕方までバイトがあったので出かけていった。
アカリ『ちぇ〜、セリーナさんと一緒にお買い物したかったなぁ。
仕方ない、一人で・・・・・』
その時、アカリは買い出しのリストに目をやる。
(肉数種・野菜色々・炭等々・・・=重い)
アカリ『・・・・・・・
よし。』
アカリは買い出しのリストにバックをひっつかむと部屋を出て隣の部屋に。
*こんこん*
リッキー『・・・・・・誰』
アカリ『あんたみたいな根暗に用あんの何か私くらいでしょうが。』
リッキー『(怒)、
お前俺嫌いだろ。』
アカリ『ふん、ガキんちょのくせにブラックやらゴールドに輝く板をお持ちだからって、別に何とも思ってないわよぉ?』
リッキー『大嫌いだろ。』
アカリ『い、いいからさっさと開けなさいよ!!
レディをいつまでもドアの前で待たせるなんて<大人>の紳士にはあるまじき行為よ!!!』(大人強調)
アカリがドアの前でギャアギャアとうるさいので、リッキーは仕方なくドアを開けた。
*ガチャ*
アカリ『ったく、最初からそうしなさいよね。
・・・てあんた何してんの?』
アカリは、そこかしこにちらばされたデリバリーの広告を呆れた顔で眺めた。
リッキー『腹減ったから。』
アカリ『いやいや、あんたさっき私が持ってきたパスタは!?』
リッキー『食ったけど。』
アカリ『はぁ!?
男の子だからって3人前は盛り付けてあったの食べて、まだ食う気なの!?』
リッキー『・・・・
足りない・・・・』
アカリは呆然とリッキーのお腹を見つめた。
アカリ『あり得ない・・・
あんた体と胃袋のバランスおかしくない?
あんたテレビ出なさいよ、大食いの赤坂さんも真っ青よきっと。』
リッキー『お前何言ってんの?』
アカリはリッキーの怪物並みの食欲にしばし黙っていたが、リッキーが電話をしようとした所でここに来た目的を思い出した。
アカリ『あ、す、ストップ〜!』
リッキー『・・・何だよ。ここのピザ不味いのか?』
アカリ『そうじゃなくて・・・
あんたに買い出し付き合って欲しいのよ。
どうせ暇でしょ?』
リッキーはアカリの身勝手な言葉にしばし目をぱちくりさせると、不機嫌な顔をしながらそっぽを向いた。
リッキー『何言ってんだ俺は客だぞ。
それに俺は腹減って動けないから無・・』
アカリ『あ〜あ〜、一緒に来てくれたら、美味しいステーキ出してくれるお店に一緒に行こうと思ってたのになぁ、そっかそっか来れないんだね〜いや無理しないでいいよ、私一人で美味しくてジューシーな肉をかぶり付き・・・』
リッキー『行く』
アカリ『?あら、いいの?
助かるわぁ♪(こいつ、やはり食い物で釣れる・・・)』
リッキーとアカリ軽く身支度を済ますと、お互い自転車に乗って街へと繰り出した。
それから1時間、リッキーを連れたアカリは外国特有のでかいスーパーのカートに野菜やら肉やらを次々に放り込んで買って行く。
リッキー『今夜はバーベキューでもすんのか。』
アカリ『うん、ペンションのお客さんがね、あんたを入れて今日は3組だったんだけど、内2組が一緒にバーベキューをしたいってんで、もち割高で引き受けた上でこうして買い出しってわけ。』