‐Darkness Sword‐
□【新章Darkness Sword】第一章〈富と代償〉
1ページ/5ページ
ここはアメリカのどこか。サーファー達に人気の浜辺があり、名前はオーバーランド。その一角に、長年海風にあたり、少し年季の入った白い建物、BLUEWAVEと言うペンションがたっていた。
このペンションは半年前まで、空き家だったが、日本から来た若い兄妹が建物を買い取り、ペンションとして経営を始めた。
しかし、このペンションは夏季以外は入居がいまいちで、ペンション経営だけでは営業が難しいと踏んだオーナーである兄は、ペンションの一部を改装して、小さなショップを同時に始める。
ショップの名前は〈DONTOKOIYAR〉。*どんとこいやぁ*
外国は日本語ならなんでも受けると踏んだオーナーの奇抜なアイデアから出た名前だった。
*朝5:00*
ピピピピピピピピピピ!!
まだ猫も犬も寝入っている時間に、ペンションからけたたましい目覚ましの音が響いた。
?「・・・・・・
・・・・・・ん〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・
・・・・ねみぃ・・・・・
・・・あ"〜、朝か〜〜〜』
ピピピピピピ・チャンッ!
むくりと、まだ気持ちのいい夢に後ろ髪を引かれながらも起き上がり、このペンションのオーナー、〈西宮 リョウ〉は目覚ましを止めた。
リョウ『ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
ふぁぁぁあぁぁあ、今日もきたなぁぁ。
・・・うし、開店準備済んだら朝飯作るか〜。』
リョウは、毎朝恒例になった独り言を終えると、着替えて部屋を出た。
ペンションの中は、横並びに向かい合う形で8つの部屋があり、リョウは一番奥の部屋に寝泊まりしていた。
部屋からでて左の廊下を少し進むと、そこはダイニングキッチンがあり、ここで食事をしたりテレビをみたり、ペンション利用者達にとっては交流部屋〈談話室〉の役割も持っている。
リョウはキッチンのお勝手口から外にでると、ペンション正面に出っ張る形で作られたショップ〈DONTOKOIYAR〉のシャッターを片方押し上げた。
鍵を開けて中に入ると、リョウはまず先日届いていた品物を確認して行く。