Vanpire Seven
□【Vanpire Seven】
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【Vanpire Seven】
第一章
‐闇の掟‐
現代、人間達は夜でさえ光溢れる世界へと変える力を得た。
夜も更けた時間でさえ、人間達の住む町の光は絶える事もなくこうこうと輝いている。
「・・・あの光がある限り我はここから動けない・・
闇の種族の名が聞いて呆れる。
なぜ、闇の条約などに縛られなければならないのだ。」
深い闇に覆われた木々から音もなく現れた人のような姿をしたそれは、遥か彼方に存在する街並みを、忌々しく睨みつけていた。
その瞳は月明かりで銀色に光り、獲物を狙う獣のように細長い黒目をしている。
肌は月明かりに溶けてしまうのではないかと思うほど蒼白く、その顔は人間離れしていて、それは妖美だった。
それはしばらく、そうして山向こうを見つめていたが、やがてソレの後ろに、異様な影が姿を現す。
*「Seven様」
Seven「・・・何だ」
*「人間どものもとへ偵察に送り出したアウル族が戻って参りました。」
その異様な影は裕に3メートルはある。
その影はゆっくりと腰をかがめると、Sevenと呼ぶ相手に地響きのような声でそう伝えた。
Seven「・・・戻ったか。
アウル族の長を我が屋敷に。」
*「かしこまりました。」
影はSevenに返事を返すやいなや深い闇に消えていった。
Seven「浅ましき人間共よ。今に訪れる闇の時代まで、のうのうと生きているがよい・・・」
Sevenはもう一度深い山々を眺めた後、漆黒のマントを翻し闇が広がる森の中へと姿を消していった。