海☆長編サブリエ(ブック)

□無くした光、見つけたモノ
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「お願いします…私を、助けてください」











大きくもなく届いた言葉に、驚きはしない。
あまりに予想通りの言葉にククッと笑が漏れたくらいだ。



「おれが、お前を助けて何のメリットがある?」

「……………それ、は」




…あるはずがない。
島からでた事もない。
戦闘もできない。
掃除洗濯もまともにできなければ…病持ちという厄介なモノしか残らない。



「おれが善意で人助けでもしそうに見えるか?」



マナは口が開けなかった。

はい、助けます。なんて都合のいい話になるはずがない。
しかも相手はこのローだ。
それはわかっていた。

でも、…どこかで期待をしている部分があったのは確かだ。



「とんだ無駄足だったな」


「……」





黙り込んでゆっくりとマナは下を向いた。

また泣くか。






そう思ったローが見たのは、小さく笑ったマナだった。





「何がおかしい」

「いえ…その通りだと思って」

「…」

「私、足手まとい以外何もならないなって」



そしてマナはローの目を見て笑って言うのだ。




「今の話、忘れて下さい」










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