Devli Syndrome

□第1話
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夜0時を既に回っても街はまだ眠っていない。
「姉ちゃん可愛いな」
「俺らと良いことしない?」
長い銀髪と金色の瞳の少女を男達が取り囲む。
―掛かった。
少女が心の中でほくそえむ。
そして男達にお決まりの台詞を言う。
「私が混血フェルでも“遊んで”くれる?」
少女がクスッと笑って言う。
「俺らは君が遊んでくれるなら何でもいいさ」
さっきとは別の男が言う。
「本当に?」
少女の表情が輝く。
―今夜は楽しくなりそう。
心の中でクスリと笑う。
「ああ、本当さ」
また違う男が言う。
「じゃあこっち」
少女が男達を誰も居ない路地に誘いこむ。
此処までは少女の想定通りだ。
人間の男なんてこんな物だ。
可愛い格好なりして歩けば寄って来て、甘い言葉ですぐだ騙せる。
「姉ちゃん何処まで行くんだ?」
男たちの中の1人が怪訝そうな表情で言う。
「もう少し先。誰も居ないほうがお兄さんたちも良いでしょ?」
男達の方を振り返りにっこり笑って言う。
少女は裏路地の奥それこそ突き当たりまで行く。
「姉ちゃん早く始めようぜ」
男達の中の1人が下品な笑みを浮かべ言う。
黒服の少女は微笑を浮かべ佇んでいる。
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