Devli Syndrome

□第3話
1ページ/3ページ

時雨が目を覚ましたのは日がだいぶ昇ったお昼ごろ。

『今日の午前五時頃夢沢区西明町の喫茶MERIERUの路地裏で六人の男性の遺体が発見されました。発見したのはこの店に勤める21歳男性従業員で店を…』

「時雨おはよ」
テレビを見ていた少年姿の虚玖こくが言う。
「虚玖オハヨウ」
時雨が眠そうに目を擦りながら返す。
「不覚だった…」
そう呟くように言う。
「時雨、気付かなかったの?」
「“狩り”に夢中で気付けなった。初めは気にしてたよ、でも途中で気配消えたから気にするの止めた。そしたらこのザマ。バカっみたい」
「まだまだ甘いね。時雨は」
「そうだね。たま刹那に何か言われそう」
時雨が溜め息混じりにそうぼやく。
「時雨、今日“仕事”は?」
虚玖が唐突に聞く。
「一人。でも来るの夕方だからもう少し寝る…」
「時雨?また寝るの?」
虚玖が呆れ顔で時雨に言う。
「だって最近ろくに寝てないし…兎に角寝る」
それだけ言うと再びベットに潜り込んで眠ってしまった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ