Devli Syndrome

□第2話
1ページ/1ページ

ポチャンっと水の落ちる音がして時雨は目を覚ました。
其処は不思議な空間。でも知っている場所。
其処には一人の青年が居た。
純白の着物を着た金色の髪の青年だ。
青年が時雨の方を振り返った。
「時雨・・・」
「久しぶりだね。虚夢きょむ
時雨がニッコリ笑って言う。
「私にとってはだけどね」
「時雨に会えないとたった1日でも寂しい」
虚夢が静かに言う。
「私も虚夢に会えないと寂しい」
時雨が言う。
「僕には時雨しか居ないから・・・」
虚夢が俯いて言う。
「そんな顔しないで、折角会いに来たんだから」
時雨が笑って言う。
「虚夢は私に会えて嬉しくないの?」
「・・・嬉しい」
虚夢が微笑む。
「やっと笑ってくれた」
時雨が嬉しそうに言う。
「今日は元気無いね。なんかあった?」
虚夢の顔を覗き込んで言う。
「僕と時雨が“会う”所見た」
「それで?何が見えたの?」
時雨が聞く。
「時雨だって見えてるんでしょ?」
虚夢が聞く。
時雨は虚夢の問いに答えず代わりにニッコリと笑う。
「“会って”色々話したいね」
笑ったまま時雨が言う。
「時雨は分かってはず僕らがどうなるかも」
虚夢が言う。
「うん。知ってるよ。でも私諦めないから。だって虚夢に“会って”色々話したいんだから」
「未来は変えられない・・・。」
虚夢が悲しげに言う。
「じゃあ、私が変えるみせる。今此処で約束する」
時雨の言葉に虚夢が驚いた顔をする。
「本当に・・・?」
「本当だよ、その時が来ればわかるよ」

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ