オマケ

□戦う護る失うそして天を仰ぐ
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●背中の見送り方●(沖→近)


「それじゃあ行ってくる。総悟はゆっくり休んで、早く怪我ぁ治すんだぞ」

「…いってらっしゃい近藤さん。どうか気を付けて」


何故もっと大切な事を伝えなかった?
貴方が帰ってこないって分かっていたら、好きだと何百回も繰り返し伝えていたのに。
俺も連れていってくれと何千回とすがっていたのに。

貴方を見た最後が背中だなんて、だって哀し過ぎるじゃないか。


‥‥‥‥‥
↑そして、残ったのは何万回もの後悔。大好きだった背中は思い出したくないそれとなる



●甘いものなんて大嫌いだ●(土+近+ちび総悟)


「近藤さん!あれ!あのフワフワ食べたい!!」


お囃子にキラキラ光る安提灯。
その安提灯より目をキラキラ輝かせた総悟は、一つの屋台を指差すと、近藤さんを引っ張って人混みに消えていった。
けれど割に背が高い近藤さんの頭は、雑踏の中でも頭半分程は飛び出る。
はぐれる心配はあまり無かったから、俺は二人の後を敢えて追うでもなく、ゆっくり歩を進めた。


「…綿飴か…」


人混みから半分程飛び出た頭は、どうやら綿飴の屋台の前で止まっているらしい。

甘いものは苦手だ。
だから綿飴に少しの興味も湧かない。

ゆっくりとした歩でも二人との距離は自然と縮まり、自分の顔より大きな綿飴を手にした総悟の笑顔と、総悟よりも嬉しそうに笑いながらその頭を撫でる近藤さんが見えてきた。

本当に近藤さんは総悟に甘すぎる。


(それはまるで総悟の手にする綿飴程に)


「トシも食べるか?」


ようやく追い付いてきた俺に気付いた近藤さんが、綿飴の屋台を指差し訊ねてきた。


「…いや。甘いもんは好きじゃねぇから」


そうだ。
俺は甘いものは苦手なんだ。


「近藤さーん。ねぇ肩車!」


そっか、と俺に言いながら近藤さんは、先程から足元で肩車をねだっていた総悟を肩に乗せた。


本当に近藤さんは総悟に甘すぎる。

俺は甘いものは苦手なんだ。
だから綿飴に少しの興味も湧かない。

甘いものは苦手なんだ。


‥‥‥‥‥
↑土方はまだ完全に近藤に心を開いていない、というか素直になれない。ミツバへの恋慕と近藤への尊敬に揺れる



●少しだけ追いかけてみよう(少しだけ、少しだけ、気付かれないように、)●(沖→近)


「総悟、隠れてないでこっちにおいで」

あ、やっぱり。
今日もまた気付かれた。

(まぁ、気付いてくれなきゃ拗ねてるところなんですがね?)


‥‥‥‥‥
↑ストーキングは軽微ならざる犯罪です



●後ろに見えるものは何ですか●(近+?)


総悟は子供の時分、俺の後を追うのが好きだった。
それも気付かれないよう、そぅっと。
そのくせして、俺が気付かないと機嫌が悪くなったものだ。
頬を膨らます総悟がやけに可愛くて、たまにわざと気付かぬ振りをしたりもした。

どうもそれが癖になっているらしく、大きくなった今でもたまに俺の後を静かに付いてくる。
ただ最近は、気付いてやらないと頬を膨らませる代わりに刀を抜くので困っているけれど。

体は大きくなってもまだまだ子供なのだ。
それがなんだか嬉しくて、だから俺は総悟を止めない。



さて、つまり俺が何を言いたいかというと。
きっとお妙さんも、そぅっと付いてくる俺に気付いて『なんだか嬉しい』気持ちになっているに違いない。と、言うこと☆
「ゴリラ」だの「ストーカー」だの言われて殴られる事もしばしばだけれど、まぁ、それは照れ屋なお妙さんの愛情の裏返しというか素直になれない乙女心というか、それを踏まえると一見求愛してるのは俺にみえるけど、その実お妙さんが俺に求愛してくれていると言っても過言ではないんだろうと思う今日この頃でありまして、そんなお妙さんの気持ちに答えなければこの近藤勲!!男じゃない!!お妙さんに恥をかかせる訳にはいかないのだ!!うん☆
そんなわけで本日も紋付き袴に花束携えて、お妙さんの後ろ姿を見詰めているのでありました。

‥‥‥‥‥
↑本当にストーキングは軽微ならざる犯罪です
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