d.A.d
□黒
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ここにあるのは娯楽だけ。
他に何が必要だと言うの。
「ここにいる。」
駄々をこねた。
あまりに珍しいもので、耳を疑う。
「わかった。」
それならば、認めてやらなくては。
あぁ吐き気がする。
頭痛もする。
肉だ。
肉の臭いがする。
「ごめんなさい。
でも、とてもお腹がすいたんだ。
とても、とても。」
ぽたぽたと、涙。
あぁ誰が責められると言うのか。
彼はただ純粋なのだから。
腹を切って、探る。
何て黒い。
何て汚い。
あぁこんなもの、食えるものか。
彼は純粋だ。
だから知らない。
そこにある黒いもの。
口に運ぶ。
何て、何て純粋。
それが汚いものと知らず。