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□【†Tu es tout pour moi†】
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【†Tu es tout pour moi†】
















裾にレースがついて丸く膨らんだ
ロングパーカーにショートパンツ
俯せに寝転がって本を読み、膝を折っている。

その足が稀にパタンパタンと揺れているのが
犬か猫の尻尾が揺れている様に似て、
ついつい手を伸ばしたくなってしまう。

長い袖に半分以上隠れた指先がページをめくる途中で止まる。

「んっ……何だよ。」

「別に。」

「っ…擽ってぇよ。」

機嫌が良いのかくすくすと笑う。

「本読んでろよ。」

振り返った戸梶にはそう告げて、
サイドテーブルに置きっぱなしになっていた
ローションを手に取り、彼の足に垂らして舐めはじめた。

彼が指の股に舌を這わせると
ピクンッと戸梶の体が跳ねる。

「ゃっ…、んっ……」

「眼鏡…」

「ん…?」

唐突な言葉に顔だけ振り返った戸梶は首を傾げた。

「眼鏡エロいな。」

「はぁ?」

目を見開いた彼の髪を伊崎の指が撫でる。

「髪も、エロいよな。」

「なっ…なに…?」

かぁぁ…っと戸梶の顔が赤く染まる。

ビロードの黒いパーカーに触れながらさらに囁く。

「服の色も。」

「……関係あんのかよ…」

顔を逸らした彼の鎖骨を伊崎の指がなぞり、肩が震えた。

「鎖骨とか。」

「何だよ…急に…」

彼は耳まで赤い。

それを見詰めながら伊崎は
彼の片方だけ出ている肩の丸みを手の平を使って撫でる。

「肩の形とか。」

「ど、どうしたんだ…?」

尋ねながらまともに相手の顔を見る事が出来ない。

「腰とか。」

腰の形を確かめるように触れられて
漸く振り返った彼は伊崎を睨みつけるが。

「やだ…ヤラねえかんな。」

「本読んでろ。」

「っ…」

きつく返されて、唇を噛む。

自分の方がしたいと思っていると
そんな風にとられては釈なので、
戸梶は言われた通りに手元の本へ視線を戻した。

「膝の裏から…」

言いながら膝の裏の窪みを指先で撫で、
そこから太腿を手の平で撫で上げると。

「太腿の付け根。」

ショートパンツの縁を指先で外側から内側へなぞる。

「…わかんねぇよ……」














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