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□【†HAPPY BIRTHDAY†】
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【†HAPPY BIRTHDAY†】













ベッドの上。

隣に座って愛煙を吐き出している恋人に声をかける。

「…もうすぐ誕生日だな。」

「あー…そうだな。」

戸梶は一瞬きょとんとした後で、そういえば…と答えた。

手を伸ばして煙草を寄越せと指で合図する。

恋人の吸いかけの煙草を口にしながら伊崎も半身を起こし、
視線を合わて問う。

「何か欲しいものあんのか。」

問われて軽く目を見開き、小首を傾げる。

「……愛。」

「ああ!?」

思わず声を荒げた伊崎に戸梶は眉を寄せて答えた。

「…いや、金掛かる物は時生にもらうから。」

「………そーかよ。」

暗に期待していないと言われているようでムッとする。

気付いているのか、いないのか
戸梶は両手を伸ばして伊崎の首に抱き着くと、耳元で囁く。

「……瞬くんからは、愛が欲しい。」

「どうせだから、普段やって無ぇ物言えよ。」

抱き着いてきた彼の頭を撫でながらあっさりと答えた伊崎。

戸梶はカッ…と頬を赤く染めると
伊崎を突き飛ばす勢いで立ち上がりベッドから下りる。

離れて行こうとする彼の手を掴んで止め、
伊崎は不機嫌そうに尋ねた。

「どこ行く気だ、てめぇ…」

ぐっと掴んだ手に力を込められ、
ビクッと戸梶の肩が跳ねる。

「は、はずぃんだよ、てめぇ…」

振り返った彼は耳まで真っ赤だった。

瞳が潤んでいる。

伊崎はキツイ煙草を深く吸い込んで吐き出すと
残りは灰皿に押し付けて捨てた。

「……わかった。」

「何が…?」

怪訝な顔をする戸梶の腕を引き、無理矢理ベッドに戻す。

倒れた体の上に跨がって、至近距離で視線を合わせる。

「てめぇがそれが一番欲しいってんならやるよ。」

そう言って唇を己のそれで塞ぎ、
激しく貪ってから耳元で囁く。

「枯れるまで一日中てめぇの中に注ぎ込んでやる。」

「っん……」

声の熱に撫でられて、戸梶は鼻にかかった甘い声をあげる。

伊崎は再び視線を合わせると、笑みを浮かべて告げた。



「溺死しちまえ。」















【†END†】
あとがき
LOVE & PIECE!!!!←ごまかせ無ぇぞ。##APPLAUSE##20071217.


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