V

□【†PRESENT†】
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【†PRESENT†】















昼下がりの屋上。

フェンスに背を預け三人並んで座る。

と、空を見ながら不意に多摩雄が口を開いた。

「この前さぁ、時生にパンツ貰ったんだけど。
男からパンツ貰ってもなぁ…」

「あー…伊崎もよく買ってくるぞ。
何か…俺の買ってやった下着以外履くな、
とかわけわかんねぇこと言ってな。」

愛煙を吐き出しながら戸梶が不機嫌そうに相槌を打ち、
筒本も笑いながら頷く。

「俺も阪東にやられましたよ。最悪ですよね。
まあ、目の前で引きちぎってやりましたけどー」

「つか戸梶、それはいてんのかよ。」

多摩雄は空から視線を戸梶に移して首を傾げる。

「……はいてる。」

そう答えた戸梶はベルトを外し、ズボンのホックを外して
下着の柄を少しだけ見せた。

覗き込んだ両側の二人は微妙な顔をする。

「うわぁ、やっぱそうゆう趣味なんすね。」

「よくはけるな。」

戸梶はさっさとベルトを締め直しながら、
怒るでもなく口を開く。

「まあ、その代わり伊崎も俺の選んだ
浮気防止用下着つけてるしよ……」

「浮気防止?」

首を傾げた多摩雄に戸梶はさらりと答える。



「超愛妻家って、デカく書いてあんのだとか、
凄ぇファンシーなウサギがついてるやつだとかな…」



途端。



「「ぎゃはははははははっ!!」」



多摩雄とその後輩は煙草を落として爆笑した。

「マジかよっダッセエ!!」

「超ウケるんですけど!クールな顔して下は
超愛妻家にファンシーうさちゃんって!」

「そりゃ恥ずくて女の前じゃ脱げねえよな!」

「つか、誰の前でも脱げないっすよそんなの!
俺、今度伊崎に会った時に笑わない自信無いっすわ!」

「止めてやれよ!瞬くん泣いちゃうぞ!」

「ぎゃははははははっ!」

目に涙を溜めてまで爆笑し続ける二人に、
戸梶も流石に眉を寄せる。

「お前ら絶対ぇ伊崎の前でその話すんなよ。」

睨まれた多摩雄は必死に笑いを堪えようとするが…

「ああ、しねぇって……ぶっ…」

「「ぎゃははははは!!」」

多摩雄に誘われて筒本まで噴き出す。

快晴の空に響き続ける二人の馬鹿笑いを聞きながら、
戸梶は心底うんざりと溜め息を吐いた。



「……余計な話すんじゃなかった。」















【†END†】
あとがき
その後、伊崎に会う度に笑いを堪える多摩雄と筒本。
最早イジメ。時生にバレて怒られたらいいですね!(笑)##APPLAUSE##20080109.


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