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□【†下着泥棒†】
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ルカに会いに源治が商店街を訪れた時の事。

向こうから全力疾走してくるスカジャンの女性がいた。

あっという間に目の前まできた彼女に
源治は首を傾げながら声をかける。

「……ルカ?どうした。」

「パンツ盗まれたッ!!!」

彼女は大声で叫んだ。

「は?」

「パンツ盗まれたッ!!!」

源治は思った。

ルカが壊れた……
















【†下着泥棒†】














昼の商店街。

集められた男達は皆不機嫌そうに源治を睨んでいた。

「お前らに集まってもらったのは…その……」

口を開いたものの口篭る源治。

「んだよ、早く言えよ。」

多摩雄に急かされ、彼は助けを求めてルカを見る。

説明を求められた彼女はあっさりと言う。

「私の下着が盗まれたのよ。」

一瞬の沈黙の後、首を傾げたのは
一番不機嫌そうな伊崎だった。

「で?」

「で、て?」

「だから、何だ。」

言外に下らないという響きを持たせた伊崎をルカが睨む。

それを見た源治は慌てて呼び出した理由を口にする。

「犯人を捕まえるのに協力してくれ……」

また一瞬の沈黙があり、伊崎が溜め息を吐く。

「お前、女の尻に敷かれてんじゃねぇよ。
下着の一枚や二枚放っとけ。」

最後の言葉にルカはカッと目を見開いた。

仁王立ちの彼女は、よく通る声で一気にまくし立てる。

「じゃあ、伊崎君は戸梶くんの下着が他の男の…
それも見るからにモテなさそうなオッサンの油ぎった精液に
デロデロに汚されても放っとけっていうの!!!?
匂い嗅がれて舐められてアレを擦りつけられる
かもしれないのよ!!?
それでも放っとけっていうの!!?」

「犯人を見つけ出し、捕まえた上で八つ裂きにする。」

即答した伊崎に彼女は漸く笑みを浮かべ、うんうんと頷く。

「私の気持ちがわかってもらえたみたいね。」

「え?八つ裂きにするんですか?」

「当たり前じゃない!!」

思わず首を傾げた筒本にルカの渾身の怒声が投げ付けられた。

今まで傍観していた時生は、
話が纏まったと見るや口を開く。

「でも、下着ドロ捕まえるったって…
具体的にどうすりゃいいんだろ?」

「そう都合良く現れ無えだろ。」

時生の言葉に頷く多摩雄。

それに動揺した様子も無く、ルカはあっさりと告げる。

「策はあるわ。おとり捜査24でいこうと思います。」

全員の目の下に皺が寄った。















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