君と僕の諸事情
□諸事情 8
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「す、鈴木っ!??」
杉本くんが慌てたような声をだした。
「何してるの、って聞いてるんだけど?」
私からは秀一の姿は見えない。
だけど、物凄く冷たい声だった。
足音が近づいて
杉本くんが私から離れた。
否
剥がされた、というほうが正しいのかもしれない。
「渚、おいで。」
「っ…」
秀一の顔が見えたとき
いっきに涙腺が緩んだ。
秀一だ…
秀一が助けてくれた…
安心して、目から涙が零れる。
秀一はそんな私の手を引きトイレから連れ出してくれた。
「次…渚に手出したら…どうなっても知らないよ?」
「っ!!」
トイレから出る直前秀一は中に居た杉本くんにそう言った。
私の方からは秀一の顔が見えなかったけど
声からして、凄く怒ってるに違いなかった。