君と僕の諸事情
□諸事情 7
1ページ/11ページ
入学式から約一ヶ月半。
桜の花も散り、青々とした葉っぱが生い茂り始めていた5月末。
一つの行事が始まろうとしていた。
「というわけで、クラス内歓迎会を行うことにした。」
LHRの時間、
教壇に立つ慶貴さんはクラスメイトを見渡してそう言った。
「場所は学校の宿泊施設。
いちお、4人一組で部屋を与えることにする。」
「先生っ!」
クラスメイトが手を上げ
慶貴さんがそちらを見る。
「何だ?」
「その4人の班はもう決まってるんですか?」
「いや?
さすがにそんなのはお前らで決めてもらうよ。」
そんな慶貴さんの言葉に
何故かクラスメイトは盛り上がった。
そして、一斉にこちらを見た。
「え?」
思わず声に出してしまった。
だって、明らかにみんなの目が怖かったから。
そしてコソコソと何かを話し出す。