君と僕の諸事情
□諸事情 3
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「…い、渚………よ!!」
誰かが兄を呼んでいる。
それは夢なのか現実なのか…
私には分からなかった。
だけど…
だんだんその声がはっきり聞こえてきて
うっすらと私は目を明けた。
「…ん……?」
「お、やっと起きたな。」
目を開けると雅晴が目の前に居た。
雅晴の前髪が頬に触れるほどの距離。
「ッんー!!!!!」
私ビックリして声を上げそうになった時
雅晴が私の口を押さえ込んだ。
「騒いだらダメだろ?」
耳元にそっと唇を寄せ
くすぐるように囁く、雅晴。
そのくすぐったさに身をよじれば、やっと手を離してくれた。
「な、何するんだよ!」
「何って…起してあげただけ。」
私が上半身を起すと、
雅晴はベッドに腰掛けた。
「それとも…」
ふと雅晴が考えた素振りを見せ、
私をベッドに押し倒した。