君と僕の諸事情

□プロローグ
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宗形湊、15歳。
私…今日から男の子になります!!!


「湊ちゃん、やっぱり考え直した方が…渚だって何か考えがあったんだと思うよ?」
「秀っ!!私は、いえ、俺は今日から宗形渚なの!!」


いきなり、何のことだか分からないだろう。

私宗形湊には双子の兄がいる。
兄は優秀で人望が厚く、誰からも好かれる人だった。
もちろん、私も兄が自慢だった。
そして大好きだった。
しかし中学3年の冬、進路が決まりあとは卒業式を控えるだけの状態だった兄は突然居なくなってしまったのだ。
親にも私にも何の連絡の無いまま。
でも、私は知ってるの。
星城学園に合格が決まってから兄の様子が少しずつおかしくなっていった事を。
だから、私は星城学園に行けば兄の失踪の手がかりが見付かるかもしれないと思い、兄になりすますことに決めたのだ。
そして冒頭に戻るのです。
あ、ちなみに目の前で私を説得しようとしているのが幼馴染の鈴木秀一。
彼も頭がよく兄渚と同じ学校に通うことになっているのだ。
ならば、協力してもらわなければいけないでしょう?
星城は全寮制の男子校。
だから秀一にも協力してもらおうと思って、秀一の部屋まで来たっていうのに…
何であんたは否定してるのよ!!


「僕は反対だからね!!湊ちゃんは女の子なの!!全寮制の男子校だよ!??湊ちゃんが女の子だってバレたらどうなると思ってるの!??」
「どうって…退学とか??」
「違うよ!!完璧に餌だよ!!渚のことなら、僕が何とかするから湊ちゃんは普通の学校に行って!!」
「無理。渚のことは私が一番わかってるの。秀一が協力してくれないなら、学校で別な人見つけるもん。」


私は立ち上がり、秀一の部屋から出て行こうとした。
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