君と僕の諸事情
□諸事情 9
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目が覚めれば、割り当てられた部屋に居て
しかも、秀一に抱きかかえられるように眠っていた。
その上、服はちゃんと着ていて
ご丁寧にサラシまで巻かれていた。
私は秀一を起さないようにそっと起きると
周りを見渡した。
秀一の隣には和之と雅晴が寝ていて
寝相が悪いのか
二人とも布団がどこかに行っていた。
「風邪引いちゃうよ…」
ポツリと呟き私は和之と雅晴に布団を掛け
部屋を出た。
向かったのは大浴場。
時刻は午前5時。
みんなが寝静まっていて大浴場には人気などなかった。
「うわっ…広い……」
服を脱ぎ、浴場に足を踏み入れれば
まだ暖かいのか湯気が立ち込めていた。
「慶貴さんに感謝だなぁ…」
私は呟くと
体を洗い、お風呂に浸かった。
本当は大浴場のお湯はこの時間は抜かれているはずだった。
だけど、慶貴さんの配慮で
お湯を張ってもらえたのだ。
「ふぃー。」