04/17の日記
23:57
かみ、カミ、髪、hair.
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柔らかい、猫の毛のような髪の毛が指に絡んだ。もたれてくる細い身体を胸で受け止め、手櫛で髪を梳く。
特別な意味はなく、ただ気分が向いただけの、温い戯れだ。
弥子は不気味な程大人しく、こちらに身を任せきっている。我が輩が言うのもどうかとは思うのだが、このミジンコに危機感というものはないのだろうか。
「随分とだらしない顔だな、アメーバのようだぞ」
「・・・ん、」
「・・・つまらんな」
「きもちいいよ?」
弥子は間の抜けた顔のまま、にへら、と笑う。
「ペットの世話は、主人の役目だからな」
「素直じゃない・・・」
「ふん。そら、身体を起こせ。後ろがまだだ」
「うん」
まだ梳かしていなかったために、引っ掛かりのある髪を弄る。
弥子はやはり微笑っているようで、腑に落ちないものの。さて、この対価はどう奪ってやろうかと思考を巡らせる。
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