時を操る男
□−一緒−
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返事は返ってこない。これはマジでヤバいとケロロは背中に冷や汗を浮かべつつ、顔色を伺おうと恐る恐る顔を上げる。
そこにあったのは、怒り狂った夏美達の顔ではなく、子ども達の帰りを待っていたお母さんの様な笑み。
「おかえりなさい、軍曹。」
「ホラ、いつまで突っ立ってんのよ。早く席につきなさい。」
「え…?」
見れば、いつもリビングに設置してあるソファが撤去され、見覚えの無い長テーブルがおしゃれなテーブルクロスに包まれていた。
その上にあるのは、美味しそうな匂いと湯気を放つ出来立ての料理達。
「テーブルも椅子も家にあるのじゃ小さいし少ないから…」
「実体化ペンで、ちょちょいっとね。」
「見てドロロ、このおにぎり私が作ったんだよ。」
「こっちは僕と西澤さんが…」
「おじさま〜。モア、おじさまのために頑張って作りました!てゆーか愛妻弁当?」
ほら、早く早く。そう冬樹に背中を押され、ケロロ達は通常よりも背の高い椅子によじ登る。
余った椅子は、三個。
リビングの入り口で様子を窺っていたミリリ達が、顔を見合わせる。
「行こ。」
ミリリがタムムの腕をつかむ。イムムがタムムに笑いかける。
「…うん。」
小さく、それでも確かにタムムは頷いた。
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