時を操る男

□−決意−
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「タムムとイムムのターゲットはケロロ達。無関係の方を人質に捕るほど、彼らは落ちぶれていません。」

「それじゃぁ、冬樹殿達をまとめてリビングにほっぽいても、問題無いでありますね?」

頷くミリリ。その頷きに対する反応は、綺麗に二つに分かれた。

安心したような顔と、不安げな顔だ。

「軍曹、まさか軍曹達だけで戦う気なの?」

案の定の冬樹の言葉。ケロロが少し困ったように、頷いた。

「これは我々ケロン人の、ケロン軍の問題でありますから。」

「でも、僕たち友達でしょ? 友達の問題は僕の問題だよ!」

「冬樹君の言う通りですっ。私達にもお手伝いさせてください!」

冬樹と桃華の言葉にも、ケロロは首を縦に振ろうとしない。

痺れを切らして夏美が口を開けた瞬間、それをギロロが制した。

「ケロン軍には、古代とはいえタイムルーラーを作り出してしまった責任と、理不尽にそれを破壊した責任がある。そして俺達は、そのケロン軍の軍人。自分の責任には、自分の手でケリをつけたいんだ。」

「でも…」

「分かってくれ、夏美。」

ギロロが真っ直ぐに、夏美を見つめる。

その強い瞳が、夏美を納得させ、同時に決心を揺ぎ無いものにした。

夏美が、分かったわ、と力強く頷く。

「その代り、本当に危ないと思ったら迷わず加勢するわよ。」

この夏美の言葉には、ケロロもギロロも何も言わなかった。

言わなかった、が。

ヴンッ

「え、ちょっと、何!?」

夏美達の体がふわりと浮く。パチンと小さな音がし、透明なバリアが夏美達をまとめて空中に閉じ込めた。

まるで巨大なシャボン玉にでも閉じ込められたかの様な、幻想的かつ非科学的な光景。誰もが一度は夢見る光景だが、あいにくこれはシャボン玉ではなくバリアだ。

しかも状況が状況なだけに、素直に喜べない。





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