時を操る男

□第二章 −解明−
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気がつけば日向家のリビングに居た。

しかもそこに、消されたはずのドロロと小雪、それと最初から居なかったアンゴル・モアが、暗い表情で座っていた。

「ク、クルル殿!」

真っ先に気がついたのはドロロ、そして彼の声で気がついた小雪とモアが、クルルに駆け寄ってきた。

不安やら何やらでパニック状態な二人を無視し(ドロロは比較的冷静だった)、リモコンを手に取りテレビをつける。

表示された曜日に、思わず目を見開いた。

「土曜、だと…?」

しかも日時は、時のループの一日前。

クルルの頭の中に、何かがモワモワと立ち込めてくる。

おかしい。何かがおかしい。

何故ここに消されたはずの人物が居るのか。

何故時のループの方が、一日早く進んでいるのか。

クルルはずっと、時間がくるくると同じ道を歩んでいるものだと思っていた。

邪魔な者から一人ずつ、残った者を嘲笑う様に消しているのだと思っていた。


でも、それが違うとしたら?


「クルルさん、一体何が起こってるんですか? モアが昨日夕食の買出しに行って、それで帰ってきたら、皆さんどこかに行ってしまっていて…」

おじさまは無事なんですか?皆さんどこに行ってるんですか?

不安げに質問を並べるモアの言葉に、クルルが顔を上げた。

昨日、消えた?

そうだ、金曜は確か日向家でパーティーを開くからといって、ケロロ小隊、西澤桃華に東谷小雪、アンゴルモア、サブローが日向家に呼ばれていた。

サブローは用事、秋は仕事で来られなかったが。

そう、このリビングで。

「確かアンタ、調味料が足りないから…」

「はい、近くのスーパーに買いに行ってほしいと、夏美さんに…」

「ドロロ先輩が現れたのは何時だ?」

「それから四時間程後でした。クルルさんと同じくリビングに…」

全てが繋がった。これで隊長達をループから連れ出せる。

「東谷小雪はサブローを呼んでこい。アンゴルモアはサブローと一緒にコイツの操作だ。ドロロ先輩にも手伝ってもらうぜ。」

ラボから機械を幾つか転送し、クルルがそう言った。





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